物に憑く霊

霊が憑くのはなにも、土地や建物だけではありません。よく長い間大事にしてきた品物には魂が宿ると言われますが、自然の石や絵やマネキンなど人の形をしたものなどにも霊は憑きます。所有者の想念がとても強く反映されやすいのが人形で、霊は人間の髪の毛を好むため人毛が使われている人形などには霊が憑きやすいのです。人形を祀ったお寺は日本全国にありますが、京都の宝鏡寺や千葉の長福寿が有名です。

特にテレビなどでも何度か紹介された宝鏡寺は人形を供養するお寺として有名で、室町時代からの人形もあり全国からいわく付きの人形が送られて供養されています。宝鏡寺は室町時代に光厳天皇の皇女だったの華林宮惠厳が、伊勢の二見浦で漁網に掛かった聖観世音菩薩を安置したことが始まりだと言われています。後水尾天皇皇女の久厳尼が入寺してことから、皇女へ御所から人形が贈られて多くの人形が保存されました。そのため人形の寺として知られるようになり、一般からも供養として人形が納められるようになりました。年に一度ほどお焚き上げ供養をして人形供養を行うお寺は全国にも数多くありますが、宝鏡寺のようにいわく付きの人形を長期に渡って保管しながら供養するお寺は少ないようです。宝鏡寺には人形の髪の毛が伸びるので気味が悪くなって、供養して欲しいと送られてくるものも少ないようです。人形に限らず物に憑く霊はすべて、低級霊による憑依現象です。

地縛霊や自縛霊に取り憑かれやすい人とその霊障

自縛霊や自縛霊は死んだことを認めず、成仏することを拒んでいる霊です。そのため常にその場所や建物に孤独で寂しい状態で一人いるため、同じような寂しさや孤独を抱えた人がその場所や建物を訪れると無理やりに取り憑きます。憑依とは低級霊が人間に取り憑き部分的に、または全面的に人を支配して異常な言動を引き起こさせる現象のことです。なかには霊が霊媒体質の人に憑依する、と思っている方もいるかもしれませんが実はそうではありません。

霊能力を持った霊能者が高級霊や善霊を乗り移らせ、あの世からのメッセージを筆記させたりするのは霊界通信と呼ばれるものです。霊媒体質の人に憑依してその人を支配したり、コントロールする憑依現象とは明らかに違います。憑依は地縛霊や自縛霊などの低級霊が、オーラが低い状態の人に強引に取り憑く現象です。地縛霊や自縛霊に憑依された場合の霊障ですが頭痛がしたり、高熱が出たりして全身の倦怠感を感じたり半身が痺れたりします。身体の異変だけではなく異常な行動を取ったり、なかには極端なうつ状態になり自殺を試みるケースさえあります。

場や物に憑く霊を除霊・浄霊する方法

場や物に憑いた地縛霊や自縛霊などの低級霊を除霊や浄霊するには、力がある霊能者に依頼するしかありません。しかしその前にこのような、地縛霊や自縛霊などがいる場所には絶対に近寄らないことです。霊が出ると言われている場所へ興味半分で、肝試しなどと称して行くなどという馬鹿げた行為は避けるべきです。地縛霊や自縛霊などにとっては、このような興味半分で来る人間はまさに渡りに船といった感じです。

特に霊と波長が合いやすい霊媒体質の方は、地縛霊や自縛霊などの低級霊の影響を受けやすいので危険です。その人の道徳的なレベルとは関係なく、これらの低級霊の憑依をはね返すことができないからです。残念ながら霊媒体質者の方は高級霊や善霊だけでなく、低級霊とも波長が合ってしまい磁石のように低級霊に引き寄せられます。そのため、常に霊的な知識や判断を持ち、自分を霊的にコントールする必要があります。霊的なコントールとは物欲や性欲など、本能のおもむくままの生活を送らないことが大事です。日頃から霊的にも高い精神性を保って過ごせば、これらの低級霊の憑依を受けることもありません。ただ地縛霊や自縛霊などの除霊や浄霊は、とても危険で素人にできることではありません。

以前テレビなどで紹介された、下ヨシ子さんという霊能者をご存知でしょうか？彼女は幼い頃から試験の前の日に、試験問題が見えたりするなど霊能力がありました。そして44歳の時に高熱に襲われこの世の人間でない、宇宙人のようなものと出会います。のちにそれが六字明王という明王であると分かり、霊能者として活動をスタートさせます。1998年にテレビ番組「奇跡体験!アンビリバボー」に出演して、競馬の結果を当てたことでした。彼女を一躍有名にしたのは、2000年に岐阜県の富加町の町営住宅で起きた地縛霊の浄霊です。他の霊媒師たちが浄霊できないなかで、彼女だけが浄霊に成功しこれで下ヨシ子の名前がいっきに世間に知れ渡りました。