ユタとは

ユタは沖縄の霊能者として知られる巫女のことで、琉球と呼ばれていた時代には既に存在していました。ユタになるには生まれ持った霊能力が必要で、何の苦労もしないでユタになれるわけではありません。また、ユタとしての修業も積むわけですが、ユタになるための素質を持つ人は自分の意思とは関係なくカミダーリ（憑依現象）を経験し、その後ユタとして覚醒をするのです。カミダーリを経験したからと言って全ての人がユタに覚醒できるわけではなく、カミダーリは長い人で1年続く場合もあるのですが、その間にユタになるか否かを選びます。カミダーリは人によって少しずつ症状が違うのですが、トランス状態に入るので突然彷徨い始め、何かを呟き始めるというような奇行に現れます。毎日その状態が続いて日常生活に支障をきたすというわけではなく、トランス状態が終わればいつもどおりの自分に戻るのですが、カミダーリはユタへの登竜門になっているため避けて通ることはできません。

ユタの多くは最初から望んでユタになったわけではなく、自分の使命としてユタになる道を選びます。ユタとして生きるには試練を乗り越える強い精神力が必要とされ、自分自身も波瀾万丈な人生を過ごしてきた人が多いわけです。ユタは神の言葉や守護する者のメッセージなどを相談者に告げる役目を担っていますが、霊的な世界だけを知っていれば良いというわけでもありません。相談者への現実に即したアドバイスができなければ、ユタとして誰かを救うことなどできないのです。吉凶を占うことができることからユタを占い師だと思う人もいますが、それは誤解です。占いの特集にユタが登場することも多いのですが、ユタは霊能者なのです。方位や吉時期から相性まで占うことはできますが、占い師ではありません。また、ユタを生業として営んでいる人もいれば、本業は別のところにあって副業的に行っている人もいます。

沖縄にユタが存在する理由

ユタは沖縄だけに存在する霊能者の呼び方で、沖縄の文化や風習の中から生まれました。他の地域ではあまり考えにくいことですが、沖縄ではカウンセラーや占い師に相談するのと同じ割合でユタに相談する人が多く、その存在には確固たるものがあります。不思議なことに霊能者は全国各地に存在しているのですが、なぜ沖縄のユタがこれほど知られるようになったのだと思いますか？沖縄には古くから琉球神道と呼ばれる信仰があり、本土と離れた土地であることから独自の民間信仰が根強く残っています。本土のように新しい文化がすぐに入ってくる環境ではなく感受性の強い素直な県民も多いので、ユタの存在は大きな反発を招くことなく受け入れられてきました。そのためユタの能力は代々引き継がれ、沖縄に存在する特殊な霊能者として成長してきたわけです。

ただ、最近のスピリチュアルブームで偽物の存在も明らかになっているため、ユタに相談したい場合は本物のユタに出会う必要があります。本物であっても偽物であっても普段は他の人と変わりないので、外見だけでユタかどうか判断することは難しいと言わざるを得ません。よく相談者のプロフィールや背景を詳しく質問する人が存在していますが、それは明らかにユタとしての能力が低いからです。また、本物のユタは沖縄の自然と共に生きているので、贅沢をして豪華絢爛な生活を送っているような人はいません。民間信仰の巫女になるので、ユタだからと言って特別に地位や格式が高いというわけではありませんが、沖縄県民の生活に密着しているのでとても身近な存在であると言えます。ユタは科学的根拠のない能力で人を惑わせるものとして歴史的に弾圧されたこともありましたが、ユタであることを隠して多くの人々を救ってきたのです。

ユタによる鑑定

ユタは基本的に沖縄の霊能者なので、沖縄県民しか鑑定しないように噂されていた時期もありましたが、それは通信手段が確立されていなかった時代の話しです。確かに対面鑑定のみで対応している人の場合は沖縄県民に限られてしまいますが、遠隔で鑑定している場合はどこに住んでいたとしても関係ありません。そのため電話占いを利用してユタの鑑定を受けることも可能なのです。ユタの能力にも幅はありますが、対面しなくてもその人と繋がることで実施できる遠隔霊視は、驚くほど的中して真実に迫っています。

ユタは必ずしも沖縄在住とは限りません。ユタとしてその能力が認められ別の場所に住んでいる人もいるのです。ただ、ユタは多くの人の相談を受ける傍ら、自分自身も人から受けてしまう念を浄化させなければならないので、沖縄のようにパワースポットが多く存在しているところに多いのかもしれません。現役で鑑定するユタの中には60代や70代の人もいますが、ユタとしの経験豊富なベテラン世代は対面鑑定のみに対応している場合が多いので、ユタによる鑑定を受けてみたい人は事前に調べてから利用して下さい。