実際の霊能鑑定では鑑定する霊能者が使う霊能術が細分化されていることが多々あります。霊能鑑定を専門にする各電話占い会社のHPなどにある様々な名称の霊能術を「霊視・霊感」系、「イタコ(霊媒術)系」、「祈祷・呪術」系に分けて簡単に解説いたします。

霊視・霊感能力をベースにした霊能術

霊感

視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五官を介さず、特定の想念が脳裏に閃く現象を直感、または霊感と呼びます。霊能者に備わっている霊感は、一般人の直感が極限まで研ぎ澄まされたもので、その能力を用いて相談者に関わる状況や第三者の想念・思考、隠された事実などを瞬間的に察知することができます。

霊視・透視

霊能の世界では、上記の霊感を視覚的に感知することができる能力を霊視力または透視力と呼んで区別しています。電話占いでは霊能者が相談者と会話しながら、適宜にこの能力を使って、隠された出来事や相手の知りたい状況、あるいは物品や人物の居場所などを明らかにします。なお、霊視の見え方には個人差があり、鮮明な画像として脳裏に浮かぶ者もいれば、暗闇の中にぼんやりと幻のように浮かび上がるという者もいます。霊の姿や霊界の様子を見るのも霊視の範疇です。

未来予知

霊感や霊視を通して、相談者やその周りの人々の未来に訪れるビジョンを察知する能力です。

前世(過去世)透視

霊視や透視能力を使って人の前世や過去世を見る場合、とくに前世透視と呼称して区別されています。霊視の能力に依存するものですが、まれに霊感のみ(ビジョンを伴わない方法)で前世を言い当てる霊能者もおり、その場合は前世リーディング(前世読解)という名称が使われているようです。

霊聴

霊媒術をベースにした霊能術

イタコの口寄せ

電話越しにイタコの霊媒術を修得した霊能者が口寄せを行い、亡くなった人の霊や存命中の人の生き霊を呼び出して、その身を貸す形で直接、相談者と会話させます。電話占いの業界では、ここ十年ほど安定した人気を保っている鑑定手法です。とくに恋愛や結婚問題の悩みで用いられることが多く、恋人や片想いの相手の生き霊を呼び出して直接、その真意を聞き出すということもできるため、一定のニーズがあります。

自動書記

欧米では「オートマティスム」、我が国では「お筆先」と呼ばれ、古くから霊媒が用いてきた手法です。霊能者の肉体に霊的存在が一時的に憑依し、メッセージを書き残すという形を取ります。一部の霊能者の中にはこの方法による鑑定を得意とするものもあり、電話で相談内容を聞いてから自動書記を行って回答を出すということもあります。

霊との交信

霊媒型の霊能者が生き霊、死霊、守護霊、背後霊、先祖霊などを我が身に憑依させて、相談者と交信させる鑑定方法です。イタコのように口寄せの手法を使って直接会話させる場合もあれば、霊のメッセージを間接的に取り次ぐ形で鑑定を進める場合もあります。

祈祷術・呪術をベースにした霊能術

祈祷術

真言および天台密教の加持祈祷、イタコ呪術、道教や陰陽道の霊符術、あるいは修験道や神道、法華教などの祈祷を修得した専門の行者が、相談者の望みが叶うように祈りを捧げるのが「祈祷術」です。開運、厄除け、願望成就など相談者の求めに応じてどのようなことでも祈祷してもらえます。比較的簡単な祈願内容であれば鑑定時間内に行われますが、難度の高い祈祷術の場合は術者が日を改めて祈祷することが多いようです。

呪術

意味的には祈祷術と同じものですが、一部の電話占い会社では呪詛や黒魔術をこのカテゴリーに入れていることもあるようです。

念飛ばし

霊能者が自己の念波を特定の人物に飛ばして、その意識や思考に変化を与える霊的手法です。これもまた祈祷術の範疇に含まれます。

縁結び

祈祷術や呪術の中でもとくに男女の縁を結ぶ「結縁成就」の術を「縁結び」として区別しています。

縁切り

縁結びとは逆に男女の悪縁、腐れ縁を断ち切る祈祷術です。

波動修正

相談者の霊体や幽体にバランスの崩れが生じると、理由もなく精神的に落ち込んだり、公私ともに不運な出来事や障害が起こりがちになったりします。それを念の操作により元の状態に戻す祈祷術を波動修正と呼んでいます。手順の複雑な祈祷術や呪術と違い、波動修正は短時間で済ませることができるので、大抵の霊能者は鑑定中に執り行ってくれます。術の結果も即座に現れるので相談者側も効果を実感しやすいでしょう。

除霊・浄霊

浮遊霊・地縛霊・悪霊・自然霊などが引き起こすトラブルや不運現象（霊障）を解消する術です。行者系の霊能者が執り行うことが多く、祈祷術・呪術の範疇に含まれます。憑依した霊体を取り除く術が「除霊」、悪影響を及ぼしている霊体(祟り霊)を成仏させるのが「浄霊」です。

先祖供養

先祖霊がその子孫に霊的な影響を及ぼすことを先祖因縁と呼び、とくに悪い先祖因縁は何らかの形で解消する必要があります。その際に用いられるのが先祖供養です。霊障の原因となっている先祖霊、またはその先祖霊と関係している他の霊を祈祷術によって供養し、成仏させます。